北ア常念山脈(長野) 蝶ヶ岳(2677m) 2021年6月12日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 1:29 三股駐車場−−1:43 林道終点−−1:53 吊橋−−2:02 力水−−2:10 ゴジラの木−−2:58 まめうち平−−3:33 蝶沢−−(防寒着借用)−−4:51 蝶ヶ岳 5:17−−5:57 蝶沢−−6:20 まめうち平−−6:53 力水−−6:58 吊橋−−7:06 林道終点−−7:15 三股駐車場

場所長野県安曇野市
年月日2021年6月12日 日帰り
天候曇時々小雨後曇
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場三股の駐車場(第一駐車場)を利用。ハイシーズン前だが下山時は満車だった
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望晴れれば大展望
GPSトラックログ
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コメント今シーズン最初のアルプス。気圧配置がイマイチで稜線はガスで何も見えないのを覚悟で登ったが、夜明け前は雨が降ったがその後は予想外に展望が開けて奥日光、南ア深南部も見えた。槍穂はガスがかかり見えなかった。土曜朝なのにテントが多くて驚き。まだ本格的夏山シーズン前だが下山したら三股駐車場は満車で第二駐車場に数台の車が見えた




ゲートから出発 林道終点。下山時もこの2台だった
三股分岐。常念岳は次回かな 吊橋
力水(渇水期の最終水場) ゴジラの木
まめうち平(標高1900m) 蝶沢。雪は僅かに残る程度。流れがあり水補給可
4時過ぎ。東の空が赤くなってきた 常念岳に雲無し。思ったより天気がいいが雨が降っている
標高2480m付近。これ以降、断続的に残雪登場 標高2500m付近。夏道が埋もれてトレースは斜面直登
標高2580m付近。夏道では見られない光景 東には奥日光の山々が見えていた
雪に埋もれたお花畑を通過してハイマツ帯へ。防寒着装着 ハイマツ帯の雪はすっかり消えていた
土曜朝なのにこれだけテントがあるとは驚き。でも昨日は強風だっただろう
山頂へ 蝶ヶ岳山頂
槍穂は前穂を除いて雲が絡んで見えなかった
東〜南の空は予想外に空気の透明度が高く遠くまで見えていた
奥日光の山々
八ヶ岳
南アルプス。中央アルプスで隠れて見えなくなる限界の中ノ尾根山までくっきりと見えていた
北信の山々
浅間山 八ヶ岳の左側に両神山が見えた
乗鞍岳と霞沢岳 木曾御嶽。山頂部は雲の中
焼岳 蝶ヶ岳ヒュッテ
テント場は撤収の真っ最中でみるみるテントが減っていった
テント場から東の展望
開花し始めのミヤマキンバイ 残雪帯を下る
ショウジョウバカマ ミヤマキスミレかなぁ
サンカヨウ オオカメノキ(ムシカリ)。花はアジサイに似ているが背の高い木
登山道から蝶沢上流側を見ている オサバグサ。葉の形が特徴的。たくさん咲いていた
イワカガミ マイツルソウ。たくさん咲いていた
ゴゼンタチバナ 緑色のゴゼンタチバナ
ズダヤクシュ
カラマツソウ
オオバミゾホオズキ
林道終点 三股駐車場。満車だった


・もう6月に入り気温が上がって長野でも30℃を超える日が出るようになった。暑いし虫もいるため藪山シーズンは終了とし、今週からは避暑のため北アルプス通いに切り替えることに。私にとっては北アは近いので白山周辺のように片道200kmとかよりもお手頃である。

・最初の山はどこにするかは簡単に決まった。理由は天気で気圧配置から考えて湿った南西の強風が予想され、下手をすると登ってもガスってなにも見えないし稜線は爆風の可能性も。こうなると山頂直下まで南西の風がブロックされ、比較的標高差が少ない蝶ヶ岳が最適だ。最近の記録をネットで調べると一部区間だけしか残雪は無いようでアイゼンも不要らしい。暑さ的には雪があった方がいいのだが、この時期なのでそれを期待する方が無理だ。

・登山口の三股到着は夜9時前で駐車場の入りは1割程度でガラガラ。まだシーズン前だし、今日は下界でも南風が強かったので山の上は強風だっただろうから入山者が少なくても不思議ではない。長野は晴れていたがここでは上空に星は見えない。予報では朝は雨の可能性もあるが大降りはしないはず。体力維持が主目的なので多少の雨でも歩くつもりだ。

・さすがにメジャーな登山口だけあり夜中でも次々と車がやってくる。3時くらいから登り始める予定だったが早く目が覚めたので1時半に出発となった。予定では山頂到着は5時であり夜明け直後だ。頭上を見ると星が見えていて思ったよりは天気がいいようだ。下界では風はほとんど感じられない。

・ゲート横を通って林道へ。路面はあまり荒れておらず、林道を横切る沢の水量は昨年より減っているような。林道終点には車が2台あり、蝶ヶ岳ヒュッテの関係者の物だろう。下山時に登山指導所に人が入っているだろうか。

・常念岳分岐を通過して直進。まだ梅雨入り前だが沢の水量は多めで登山道上に水の流れがあった。河原のような石がごろごろした区間では右目が不自由では遠近感に乏しく石の凹凸の判断が難しくて歩きにくいが、それでも予想していたよりは歩けることが分って一安心。昨年同様に夜中から歩いても大丈夫そうだ。

・力水の水量は豊富。今の時期は蝶沢で水が得られるのでここで水を補給しなくていい。ただし蝶沢が雪に埋もれていなければであるが。私の場合は水の消費量は少ないので、今回のように涼しい時間帯に歩くときはほとんど水は飲む必要はない。

・沢筋を離れ急登するとゴジラの木。ここから緩やかに登って1916m峰から北に延びる尾根に乗って本格的に高度を上げる。ここではズダヤクシュやマイヅルソウ、イワカガミが咲いていた。特にマイヅルソウは多く、これから咲く蕾も多かったのでしばらく楽しめそうだ。

・マメウチ平(1916m峰)を通過して一時的に下ってから登り返し。この付近はカニコウモリが多く見られるが今の時期はまだ葉っぱだけで、代わりにオサバグサがたくさん咲いていた。この付近からライトの光に雨粒が見られるようになったがまだごく微量で雨具の必要はない。頭上を見ると星は全く見えなかった。下界は雲はかかっていなくても稜線は雲の中らしい。やっぱ山頂はガスってるかなぁ。

・蝶沢は少し雪が残っているが登山道には雪はほぼ無く、豊富な水が流れていた。この頃にははっきりと雨が降っているのが分かるくらいの大きさの雨粒が落ちてきてゴアを着用するか少し考えたが、まだしばらく樹林帯を登るので雨除けが可能であり、今の状態なら森林限界に達するまでは雨具は不要と判断してそのまま歩き続けた。

・残雪は標高2480m付近から断続的に表れるようになるが、まだ量は少なくほぼ夏道だ。本格的に残雪が出てきたのは標高2500m付近からで、ジグザグに登る夏道は完全に埋もれてトレースは斜面を直登していた。今の時期の雪は氷化していないのでノーアイゼンで問題なし。トレースもしっかりしているし、雪は良く締まって踏み抜きは皆無。この時期の雪質はこんなものだろうと今回はスパッツさえ持ってこなかった。代わりに6本爪の軽アイゼンを持ってきたが、結局は下りでも使わずに済んだ。

・これ以降は夏道をほぼ無視して残雪斜面を直登するようにトレースが延びていた。途中には広い草付き斜面が登場し、これは夏道では見られない光景だ。どこを歩いているのかその場では分からなかったが、帰ってからGPSの軌跡を確認したら夏道よりかなり東側を通っていた。

・夏道に合流したのは大滝山分岐を通過してお花畑を登ってハイマツ帯への入口だった。ここまでずっと残雪帯を登ってきたので、お花畑の斜面はまだ雪に覆われていたようだ。ハイマツ帯では風が強くなり寒いので、ここで防寒着を着た。幸いにして雨は降っておらず周囲にガスは無く、上空は雲に覆われているが所々で雲に隙間があり青空が見えるほど。山頂がガスに巻かれて展望皆無ということは無さそうだ。東を見ると奥日光の山々はまだ見えている。

・雪が消えたハイマツ帯を登りきると蝶ヶ岳ヒュッテのテント場だが、土曜朝にもかかわらず10張以上のテントがあるではないか。平日でも意外と登る人がいるようだ。ここは南西の風は山頂でブロックされるので直接は当たらないが、巻き込む風があるのでそれなりの風が吹く。撤収中のテントは少し難儀しているようだ。テント場は稜線東側にあるので雪が残っていても良さそうだが全く無かった。

・テント場を突っ切って蝶ヶ岳山頂へ。稜線へ出ると南西の風が強いが思ったほどではなく、行動に支障はない。山頂には3人の先客がいるだけで静かだった。槍穂の稜線には雲がかかり、見えているのは前穂と明神岳と大キレットのみ。槍の右側に見えるはずの鷲羽岳、水晶岳、野口五郎岳も雲の中。大天井岳はぎりぎり雲の下で山頂が見えていた。常念岳の山頂も見えている。乗鞍岳、木曾御嶽は雲がかかっていた。妙高、火打、焼山はやや霞んでいるが雲の上で飯縄山は山頂のみが雲の上。その右は志賀高原の山々。四阿山と浅間山の間には奥日光の山々。男体山と女峰山が見えているので170km以上の視程があるはずだ。すっかり黒くなった八ヶ岳の右には富士山、南アルプスの山々が連なり中ノ尾根山まではっきりと見える。中央アルプスは微かに残雪があるように見える。ガスっているのを覚悟して登って、これだけ見えれば文句はない。

・久しぶりのアルプス級の山で少々疲労を感じたので山頂で休憩。休憩している間に徐々に風が収まってきた。予報でも午後の方が風が弱まる傾向だったので、もしかしたらこれから槍穂の雲が取れるかも。そこまで粘る気は無いので下山開始。

・真夏のシーズンとは違い、この時間でもすれ違う人はそれほど多くはなく、合計で20人に達しなかったのではないか。帰りは往路では暗くて撮影できなかった花をデジカメに収めながら。まだシーズンが早く8月頃に咲いているのとは種類が異なるので、昨年には気付かなかった花があり参考になった。ちなみに稜線ではまだ花はほとんど無く、咲き始めたミヤマキンバイだけしか見かけなかった。標高が低くなると高山植物と言うより一般的な山野草に近い種類が多く、未だ私が名前を知らない花も多い。

・林道終点の登山指導所はまだ開設前らしく無人だった。三股駐車場は満車状態だが、まだ路側駐車が皆無なので夏のハイシーズンほどの混雑ではない。私が着替えを済ませて駐車場を出ると若者グループがすぐに確保。これからまだ仲間の車が上がってくるようだ。

 

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